不調の改善が期待できるツボ(経穴)4選

毎日長い時間パソコンを見つめて作業をしてつらい肩こりに悩まされている、冬の寒い時期にかかわらず年中冷えの症状を抱えているなど、普段からこのような慢性的な症状にお困りの方が多いのではないでしょうか。そんな日本人の多くが悩まされる体の不調を軽減し、痛みの症状などを改善する治療法として期待されているのが「ツボ(経穴)押し」です。中国から伝わったとされるツボ押しは、日本でも古くから行われている健康法のひとつで、経穴、すなわちツボを刺激することでさまざまな不調改善に効果が期待できると言われています。
今回は、そんなツボ(経穴)に関して知っておきたい基礎知識や、数百種類あると言われるツボの中から肩こりの改善が期待できるツボを4つ紹介します。

ツボ(経穴)に関する基礎知識

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東洋医学では、ツボを「経穴(けいけつ)」と呼びます。私たち人間の体には数百個の経穴が存在するとされ、エネルギーを意味する気が経絡(けいらく)という線を通じて全身に巡るというのが東洋医学の考え方です。経絡は生命エネルギーである気が巡る重要な通り道であり、その上にあるのが経穴、つまりツボです。
しかし、この生命エネルギーである気の巡りが何らかの原因で滞ると、体に異変が生じ、疲れやすい・風邪をひきやすい・食欲の低下・むくみ・冷え性など、さまざまな不調を起こすことがあると東洋医学では考えられています。
古くから行われているツボ押しは、このように滞った気の流れを調整し、体の異変や不調を改善するために行う東洋医学の考え方を基にした治療法です。経絡という線状で気の流れが滞ると体に不調をきたすことがある一方で、滞っている気の流れがツボ押しにより改善されれば、生命エネルギーである気が全身をスムーズに巡るようになり、体の調子を良い状態にみちびくことが出来ると考えられています。

ツボ押しについて

生命エネルギーである気の巡りを改善するために行うのが、ツボ押しです。経絡と呼ばれる線状に経穴があり、ツボ押しにより、ここを指で押して圧をかけたり、温めたりすることで滞った気の流れを改善し、不調が生じている体を正常な状態へと導きます。

ツボ(経穴)と臓器の関係

東洋医学では、生命エネルギーの出入口とされるツボ(経穴)は、さまざまな臓器や器官とつながっていると考えられています。ゆえに、臓器や器官の働きが悪くなると、深い関係にあるツボを指などで圧して刺激を加えると痛みがある、硬さを感じるという仕組みになっています。
このようなツボと臓器の関係を基に生み出されたのがツボ押しであり、ツボを圧して刺激を与えることで臓器や器官に働きかけ、体内バランスを調整して不調や痛みなどの症状を改善していきます。

ツボ押しを行うことで期待できる嬉しい効果

ツボ押しの発祥地である中国では、古代からツボ押しで刺激したときに痛みが生じる特定のツボから、体のどこに不調をきたしているか見当をつけていました。そして、特定のツボに刺激を与えることで緊張した筋肉をほぐして凝りや痛みなどを改善につなげていました。 現在、整体やリフレクソロジーなどでおこなわれているツボ押しやリフレクソロジー(足ツボマッサージ)は、特定のツボを刺激することで血の巡りをよくして体の不調を改善にみちびくための施術です。
東洋医学の考えでは、圧したときに痛みを感じた特定のツボを押すと、体の不調がやわらげることができると考えられています。痛みを感じるツボを指や手などで圧することで、気の巡りが改善されて血流や代謝が促進し、滞っていた老廃物が排出されることで不調の解消にみちびくと言われています。
また、ツボ押しをおこなうことで、人間が生命を維持する上で欠かせない自律神経の乱れを整えるといった嬉しい効果が期待できます。ツボ押しにより自律神経のバランスが整うと、緊張を緩めたり、イライラを沈めたりとリラックス効果や不眠の改善などの効果が期待できます。

肩こりの改善が期待できるツボ(経穴)4選

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長い時間同じ姿勢でデスクワークや、悪い姿勢のまま長時間スマートフォンを操作するなど、さまざまな原因から、日常的に肩こりや首こり、腰痛など慢性的な症状を抱えている人が増えています。このような日常の生活の中で起こり得る症状は、少し体を休めただけでは痛みなどの症状は改善されないのがほとんどです。そこで今回は、肩こりの症状の改善が期待できるとされるツボを4つ紹介します。

風池(ふうち)

はじめに紹介するツボは、風池(ふうち)です。後頭部のちょうど髪の生え際にある頚の左右外側のくぼみの一番へこんでいるあたりです。この部位をゆっくり押すと長時間のデスクワークや猫背などが原因で生じる肩こりや首こり、眼精疲労による首肩のこりや痛みなどに効果が期待できると言われています。

手三里(てさんり)

2つ目は、腕にあるツボ、手三里(てさんり)です。肘を曲げた時にできるシワの延長線上に人差し指を置き、手首の方向に指3本分のところ(薬指)にあります。この部位に刺激を与えると、肩の痛みや肘の外側に生じる痛みの緩和が期待できると言われています。長時間のデスクワークで肘を酷使する場合は、腕や肩周りの筋肉が緊張しやすいため、手三里を刺激することで筋肉の疲れが解消されるといった効果が期待できます。

肩外兪(けんがいゆ)

3つ目は、肩甲骨の内上角あたりにあるツボ、肩外兪(けんがいゆ)です。この部位に刺激を与えた時に痛みがあるときは、日常的に姿勢が悪いせいで筋肉が緊張している、寒さで肩をすくめるような動きを続けたことで肩甲骨周りの筋肉が凝っている可能性があります。このツボを刺激すると肩甲骨周りの筋肉の緊張が緩和され、血流が良くなり、肩こりだけでなく、腕の上がりにくさが解消され、よりスムーズに肩や腕を動かせるなど、さまざまな効果が期待できると言われています。

中府(ちゅうふ)

最後に紹介するツボが、中府(ちゅうふ)です。鎖骨の下にある骨のでっぱりから、指1本分くらい下あたりにあります。この部分を指で揉んだ時に痛みがある場合は、長時間のデスクワークやパソコンを使った作業などで猫背になっている、肩が内側に巻き込まれた状態になっていることが原因になっている場合が多いようです。ツボを指で押すときは力を入れ過ぎず、痛いけど気持ちいといった位の強さでゆっくりと刺激を与えます。

数百種類と存在するツボ(経穴)に刺激を与える際は、指や手で押すだけでなく、体の部位や圧したときの痛みに応じて、なでる・揉む・たたくなどの動作を使い分けることが大切なポイントです。自宅にいながらでも、爪楊枝やドライヤー・ゴルフボールなど、身近なアイテムを使用してツボを刺激する方法もあります。



今回は、肩こりの改善が期待できるとされるツボ(経路)を4つ厳選して紹介してきました。ここで挙げたツボ以外にも、私たち人間の体には数百種類というツボが存在していると言われています。
整体やリフレクソロジーサロンでは、体の状態を見ながら経絡や筋肉の際部分に指や手などでゆっくりと丁寧に圧をかけることで、気の流れや血液の循環をよくし、体内の働きを改善にみちびくための施術をおこないます。ツボ押しにより緊張した筋肉の凝りがほぐれると、首こりや肩こり、腰痛などの症状がやわらぐといった効果が期待できます。病院で受診してもとくに異常なしと言われたが、違和感や痛みがとれないといったときは、一度整体やリフレクソロジー(足つぼマッサージ)を試してみるのも良いかもしれません。